ギャップ評価の方法

ギャップ評価とは、SCS制度の要求事項に対する自社の現状を確認し、不足している項目(ギャップ)を特定する作業です。

評価ステータスの定義

各確認項目について、以下の5段階で評価します。

ステータス定義判定基準
対応済規程・手順が文書化され、運用実績と証跡がある文書+運用+証跡すべて揃っている
一部対応ルールはあるが文書化が不完全、または運用が不定期一部の要素が欠けている
未対応ルール・手順がない、または実施していない何も着手していない
証跡なし対策は実施しているが、証跡がないやっているが記録がない
未確認調査が未完了で判断できないまだ調べていない

判定フローチャート

確認項目を選択
関連する社内文書はあるか?
いいえ
実施している実態はあるか?
いいえ
未対応
はい
証跡なし
はい
実際に運用されているか?
いいえ
一部対応
はい
証跡(記録・ログ)はあるか?
いいえ
証跡なし
はい
文書化は十分か?
いいえ
一部対応
はい
対応済

評価の進め方

  1. 評価シートの準備

    テンプレート・ダウンロードからギャップ評価シートをダウンロードし、42項目の確認項目リストを手元に用意します。

  2. カテゴリ別に現状を確認

    10カテゴリを順番に確認していきます。各項目について:

    1. 関連する社内文書があるか確認(規程、手順書、台帳など)
    2. 実際に運用されているか確認(担当者にヒアリング)
    3. 証跡があるか確認(記録、ログ、スクリーンショットなど)
    4. ステータスを判定(上記5段階)
  3. 根拠の記録

    各項目の判定根拠を記録します。

    記録すべき内容
    根拠ファイル名security-policy.mdasset-inventory.csv
    不足事項「見直し頻度の記載がない」「記録が2年前から更新されていない」
    改善提案「年1回の見直しスケジュールを設定する」
  4. 評価サマリの作成

    カテゴリ別にステータスを集計し、全体像を把握します。

    カテゴリ対応済一部対応未対応証跡なし未確認合計
    1. 組織・体制4
    2. 情報資産管理4
    3. アクセス制御6
    4. ネットワーク4
    5. ソフトウェア管理5
    6. データ保護4
    7. インシデント対応4
    8. 委託先管理5
    9. 教育・啓発3
    10. 物理セキュリティ3
    合計42
  5. 優先順位付け

    すべてを一度に対応する必要はありません。以下の基準で優先順位をつけます。

    優先度基準
    最優先「未対応」かつ基本6項目(資産管理、アカウント管理、バックアップ、ソフトウェア更新、委託先管理、インシデント対応)
    「未対応」のその他の項目
    「証跡なし」の項目(やっているが記録がない)
    「一部対応」の項目(文書化の補完等)

重要

根拠がない項目は「未確認」としてください。推測で「対応済」としないことが、正確な評価の第一歩です。

AI活用によるギャップ評価

Claude Code等のAIツールを使うと、社内文書との照合を半自動化できます。詳しくはAI活用ガイドを参照してください。

証跡の種類

種類具体例取得方法
文書規程、手順書、方針書Markdown/Word/PDFで作成
記録実施ログ、変更履歴、承認記録管理ツールからエクスポート
スクリーンショット設定画面、ダッシュボード画面キャプチャ
契約書NDA、業務委託契約書PDF化して保存
教育記録受講記録、テスト結果一覧表として記録